天職探しの鉄則

ちょっとした行動が、やりたいこと、天職探しの、大きなきっかけになるんです

自分の「人生の嘘」に気づいて、「もしかしたら、自分の本当にやりたいことは〇〇かもしれない」と、頭の中に何か思い浮かんだ人がいるかもしれません。
でもたいていの場合、次の瞬間には「いや、自分にはそんなの仕事にできるはずがない」と打ち消してしまいます。
そこには、やりたいことを仕事にするというハードルを高く感じ、「自分には無理だ……」と思う、自己評価の低さがあります。
好きなこと、本当にやりたいことを仕事にしようと決心するためには、高い自己評価、つまり、自分に自信がないとダメなんです。

自信がないから何も行動しない。すると悪い結果しか起きないので、さらに自信をなくす、という悪循環。これって、すごく残念ですよね。自信がないときでも、思い切って行動したほうが、結果的には得だと思います。

しかし、自信がないからといって行動しないでいては、どれだけ時間が経っても、何も手に入れられません。そうすると、「やっぱり自分はダメだ……」と、余計に自信をなくしてしまいます。

それでは永遠に、悪循環になってしまう。下手すると何もしない間に時間ばかりが過ぎてしまい、「何年経ってもダメなまま。 やっぱり私って変われないんだ」と落ち込んでしまう。こんな人が、たくさんいます。

自分に自信が持てない。そんなときこそ重い腰を上げて、ちょっとだけ行動してほしい。趣味でもいい、遊び半分でもいい。楽しいと思えることだけでいい。簡単な習い事からでいいんです。
ちょっとだけ好きなこと、ちょっとだけ興味があることを、思い切ってやってみませんか?
少なくとも、何もしないよりずっとマシです。

楽しいと思う気持ちからしか、天職・やりたいことは、見つかりません

自信がないときこそ、行動することが大切。とはいうものの、人間、自信をなくしているときは、どうしてもなかなか行動することができません。
だから、自分に自信が持てないときは、小さな小さな行動から始めることが大切です。

スモール・ステップの準備

昨日できなかったことが、今日できるようになることで、うれしくなって次を目指す。好きなこと、得意なことにどんどんチャレンジしてください。面倒くさいとか、どうせできないとか最初からあきらめては何も始まりません。最初の1歩はどんな小さなことでも構いません。

1日に5分くらいのことでいい。それも苦しい努力ではなく、自分が楽しいと思えることをやる。

最初はただの遊びでいいんです。苦しい努力が必要なことから始めてしまうと、辛いのでやっぱり長続きしません。
そうすると、「長続きしないなら、やっぱり本当に好きなことじゃないんだ……」と、無駄に自信をなくすことになる。これはすごくもったいない。そんなことなら努力なんて、やらないほうがずっとマシです。

苦しい努力をするのは、もっともっとあとからでいいんです。好きなことを見つけたとき、まず最初にやるべきなのは、ただ、好きなことをして楽しむこと。

  • 「1日5分、絵を描いてみる」
  • 「1日5分、楽器を弾いてみる」
  • 「1日5分、本を読んでみる」

まずは1日に5分でいい。ここで大切なポイントは、

  1. 小さな行動であること
  2. 楽しい行動であること
  3. 毎日できる行動であること

そこで、1日に5分好きなことをやる時間をつくる。小さくて楽しい行動を、毎日続けることができれば、だんだんと自分に自信がついてきます。
好きなこと、興味があること。まずは仕事にしようなんて思わずに、ただ楽しんでみませんか?

1日5分の行動で、あなたの人生はきっと変わります

昨日できなかったことを、努力してできるようになった。そんな経験を何度かくり返すうちに、「自分もやればできるんだ!」という感覚を持てるようになります。
こういう「やればできるんだ!」という感覚をアルバート・バンデューラという心理学者は、「自己効力感」と言いました。

自己効力感を持てていない人は、「いくら努力したって何も変わらないんだよ」と、やる前からあきらめてしまって、何か行動を起こそうと思えません。
一方、「やればできる」「がんばれば変る」と、自己効力感を持てている人は、りあえずはやってみようと思えます。
そうやって、とりあえずやってみようと思えるから、小さな行動、スモールステップを踏めるのです。

とはいえ、やりたいことがわからず悩んでいるときは、自己効力感を持てない人のほうが多いです。自己効力感のない人は、自信がなくて行動できないため、いつまで経っても何も変わりません。

何も行動しないのですから、何も変わらなくて当然です。
だからこそ、「1日に5分好きなことをする」。自己効力感を身につけるために、まずはそんな小さな行動を始めてほしいのです。

小さな行動でも、やってみれば毎日がちょっと楽しくなる。1日にたった5分であっても、好きなこと、やりたいことをやってみれば、家と会社の往復だけだったむなしく寂しい毎日が、ちょっとだけ楽しくなる。

その変化はちょっとかもしれません。1日5分なんだから、ちょっとの変化で当然なのです。でも、ちょっと行動すれば、ちょっと自分の人生が変わる。

ちょっとでもよりよく変わればうれしいから、もう少しやってみようと、新しくより大きな行動を起こす気になれる。いい循環が生まれ始めれば、あとは自然と行動できるようになります。
そうやって、行動することで自分の日々がよくなる、と体で覚えることが大切です。

そうすれば、「自分の人生は、自分の行動によって変えられる」という、人生を変えるための、自己効力感を身につけることができるのです。

まずは1日5分。こころのエンジンをかける、小さな小さな楽しいことを、始めてみませんか?

どんな人でも小さな行動を続けて、こころのエンジンがかかれば、やる気が出て、大きな行動もできるようになります。
その最初の一歩、こころのエンジンがかかるまでが大変なのです。

だから、大切なのはこころのエンジンをかける、きっかけです。1日5分楽しいことをやるのは、そのきっかけ、スイッチになります。

■人生を楽しむための法則

1日5分、小さな楽しいことを始める、という行動は、人によっては「そんな小さなことをやっても、なんの意味もない」と感じるかもしれません。でもこれこそが、こころのエンジンをかけるための、もっとも基本的な方法です。

自分が動けば人生は楽しく充実するということ。

1日5分は、人生を楽しむための法則です。「仕事の成功法」とされることもありますが、それは結果的に、人生を楽しめている人が、成功している確率が高いだけなのです。

自分の人生は、自分が動かなければ、絶対に変わりません。自分が動くことなく楽しくなることも、いい話が転がっていることもないのです。

だから何よりも大切なのは、「自分が動けば人生が楽しくなる」そんな人生に対する、自己効力感を身につけることです。そして、そのきっかけになるのが、1日5分の小さな楽しい行動なのです。

大きな行動なんて必要ありません。苦しいことも必要ではありません。

いまからでも遅くない。1日5分の行動で、あなたも「チャレンジできる人」に変われます

誰だって、最初からうまくできる人はいません。生まれたその瞬間から、自信のある人はいません。
だから、いまはできないと思っていいのです。ゆっくりと時間をかけていいのです。
ほかの人より下手でもいいのです。
最初はできないと思ってもいい。そこであきらめないで、まずは楽しい1日5分の最初の一歩、始めてみませんか?

怖いのは最初の一歩だけ。
あなたもちょっとしたドキドキ、味わってみませんか?

恐怖はかならずやわらぐ「刺激鈍磨の法則

若い狐が、ウサギを追いかけて原っぱまで行きます。そこで遠くのほうにライオンがいるのを見つけます。
初めてライオンを見た若い狐は、あまりの怖さに死にそうなくらいびっくりして、急いで逃げ出しました。
それからしばらくして、若い狐はまたライオンを見かけました。でも今度は遠目ながらも、ライオンを観察することができました。
そして3回目に会ったときには、近寄って話しかけるくらい大胆になっていました。

イソップ寓話「ライオンを見た狐」

最初はすごく怖いけど、何度か経験するうちにだんだん慣れてきて、平気になってくる。こういうのを心理学では「刺激鈍磨の法則」といいます。

やりたいことを見つけるために、ちょっとでいいから行動してみる。小さなことでいいから、最初の一歩を踏み出してみる。これは口で言うのは簡単だけど、実際にやってみるのはすごく勇気がいります。

小さな行動とはいえ、自分の人生を変えるために何かするということ自体が、たいていの人にとって初めての経験。
人は、いままでやったことのないような新しい行動を起こすとき、どうしても不安になるものです。だから、小さく簡単な最初の一歩であっても、なかなか腰が重くて動けません。

しかし不安に思うのは最初だけ。ライオンに会った狐と同じです。2回目にはずっと怖くなくなっているし、3回目にはいたって自然になってくる。

自分の人生を変えるための行動も、慣れてしまえばなんてことはない。「刺激鈍磨の法則」があるのですから。

だから、必要以上に怖がらなくていい。もっと肩の力を抜いて、気楽にやればいいのです。
最初は怖かったことも、何度かやってしまえばなんてことありません。

むしろ、最初の数回しか味わえない、ちょっとしたドキドキを思う存分味わってみるのも、おもしろいかもしれませんね。そういうちょっとしたドキドキこそが、人生をおもしろくするスパイスだと思いませんか?

三流でもいいと思ったとき、あなたはどんなことを仕事にしたいですか?

特別な才能がなければ、その仕事に就くことはできない。一流になれないのなら、その仕事に就くのもやめる。これって、白か黒かしかない完璧主義的な考え方です。

完璧主義的な考え方をしていると、ものすごく極端に、自分の人生の選択肢が狭まってしまいます。

最初から、自分が成功して一流になれる確証がある仕事なんて、この世に存在しないのですから。それでは永遠に、なんの仕事も選べません。

こういう人の頭の中には、成功して一流になるか、失敗して人生がめちゃくちゃになるかのふたつしかないのです。でも、世の中には二流でも三流でも、その道でそれなりに幸せに食べている人が、たくさんいるのです。

■批判を恐れていては、つまらない人生のまま

一流になれないのなら、やめておく。その考え方の裏には、人からの批判を恐れる不安があります。

「料理人って言うくせに、たいしておいしくないじゃない」
「君はどこで修行をしてきたんだい」
「その程度の腕で、自分の店を出せるとでも思うのかい」

人からそう言われるのが怖くて、好きなことに踏み出せなくなるのです。いや、実際には、人から何も言われなくても、自信がないために、自分で自分を批判してしまうのです。
自信がないから、完璧にできることでないと、それこそ一流になれる保証がないと、失敗や批判が怖くて行動できなくなるのです。

仕事に就くことになったら、できるだけ技術と能力を高め、一流になる努力をしたほうがいいと思います。

でも、最初から「一流になれないのなら、やらない」というのでは、結局は何者にもなることができません。最初から一流が保証されている人など、この世にいるわけがないのですから。

逆説的ではあるけども、二流でも三流でもいい。多少、貧乏をしてもいい。好きな仕事で食べていけたら、そんなに幸せなことはない。
そう思って、人からの批判にとらわれず、仕事を楽しみ、のめり込める人こそが、質の高い努力を続けることができ、結果として一流になれるのです。

あなたが自分で行動すれば、あなたの人生だって、きっと応えてくれるはずですよ

「優越への努力」

人間は生まれながらによりよくなろうとする傾向を持っている

アドラー

自分の人生を変えられるのは、誰でもない、自分自身だけです。自分が何か行動しなければ、勝手に人生がよくなることは絶対にないのです。
もし、いまの仕事・人生が嫌ならば、自分自身で行動してみませんか?
まずは楽しく小さな、1日5分の“優越への努力とからでいいんです。

「もうおしまいだ」と絶望して生きるより、いまできることを精一杯やってみませんか?

二匹のカエルが牛乳の入っているポットの縁で跳ね回っていました。突然、ちょっとした拍子に二匹とも牛乳のなかに落ちてしまいましたが、そのうちの一匹は、『おー、もうこれでおしまいだ』と叫び、ゲロゲロ鳴いて溺れそうでした。
もう一匹のカエルは、諦めませんでした。そのカエルは、足を蹴って蹴りまくり、ついに足元が固まるのを感じるまで蹴り続けました。
何が起きたのでしょう? なんと、牛乳が固まってバターになったのです。

『勇気づけの心理学』岩井俊憲著(金子書房刊)

やりたいことを見つけたいと思ったあなたも、牛乳に落ちたカエルに似ていると思いませんか?

蹴って蹴って、バターになって足場が固まるのは、牛乳だけではありません。

いい年をして、いまから好きなことを仕事にする。そんな無謀に思えることでも、本気でやれば、仕事の足場は案外、固まるもの。そして、なんとか夢が現実になってくるものです。

さて、あなたはいまのまま、不満な仕事におぼれて生きていきますか?
それとも蹴って蹴って蹴りまくって、好きなことを仕事にしたいですか?

ほんの少しの金額でいいので、自分磨きに使ってみませんか?
きっとほんの少しだけ、幸せになれますよ

「お金の使い方」

服やカバンなど「物」に使うよりも、旅行などの「経験」に使ったほうが、より幸福感を得られる

心理学者リーフ・ヴァン・ボーヴェンとトーマス・ギロヴィッチの研究

1万円の服を買ったときより、1万円のディナーに行ったときのほうが、より幸福感を味わった気がしませんか?

旅行やディナーなど、特別な経験に使ったお金は、物を買った時に得る幸福感より、よほど特別の思入れがない限り、色あせないものです。

でも、もっと幸福感を得られる、最高のお金の使い方があります。それは、「自分磨きにお金を使うこと」。

ずっとやってみたかったけど、なんとなくやってこなかったこと。やってみたい気持ちはあるけど、「時間がない」「きっかけがない」と、いろいろ言い訳してやってこなかったこと。

その言い訳は、自己評価を下げるものです。それをやったことで、自己評価も回復します。

ずっと言い訳をし続けて、やっていなかったことをやることで、「自分もやればできるんだ!」と、自己効力感は上がります。

特別な経験をする幸せに加え、自分を磨いているという事実で、自己評価まで高まっていく。こんなにお得なお金の使い方は、ほかにありません。

月に5千円でも1万円でもいいから、何かを学ぶことにお金を使えば、きっと充実した特別な経験になる。
そして何より、自分の自信を高めることにもなる。

興味のあることを、実際に経験してみることは、天職探しの鉄則です。
小さな金額でできる習い事は、やりたいこと探しの第一歩として、一番、始めやすいことでもあります。