「本当に好きなこと」の見つけ方
人間は自分に都合の悪い事実を目の前にしたとき、つい防衛的になって、真実を自分の奥底に封印してしまう。そういうところがあります。
そして、やりたいことがわからないという人のこころの中でも、これと同じ現象が起きているのです。
好きなことがわからない人は、自分の「好き」という気持ちを、見て見ぬふりをしているのです。
本当に好きなことを仕事にするには、とても努力しなければなりません。資格が必要だったり、独立する必要があったり、とても長い下積みが必要だったり。しかも、がんばって努力しても失敗してしまうかもしれません。
やりたいことはどんなときでも、自分のこころの中にあります
好きなことを仕事にするというのは、夢を叶えるということ。夢を叶えるには努力が必要で、リスクもあります。いままでの人生で一度も夢を本気で追いかけたことのない人が、急にその努力とリスクを受け入れるのは、とても不安で苦痛でしょう。
そこで自分の自尊心を守るため、好きなことも興味のあることも、すべてなかったことにしてしまいます。つまり、「否認」のシステムが働くのです。
もちろんこれは無意識の働きなので、本人は「やりたいことがわからない……」と真剣に悩んでいます。まずは、自分の弱さを認めましょう。
「人生の嘘」をやめたとき、あなたの
やりたいことも見えてきませんか?
「やりたいことがわからない」、そんなあなたの悩みも、もしかしたら嘘かもしれないと、ほんの少しだけ疑ってみませんか?
自分の弱さを認め困難に立ち向かうには、勇気がいります。でもその少しの勇気を出せば、すっきりと筋の通った人生を生きられるようになりますよ。
そして案外、困難は多くても筋の通った人生のほうが、「やりたいことがわからない」と悩みながら生きる人生より、楽なのかもしれませんね。
「失敗したらどうしよう……」、そんな枠を外して考えてみるだけで、自分のやりたいこと、見えてきませんか?
神龍の叶える願い事
自分の人生の嘘を見破り、やりたいことを見つけるために、
「もし神龍があらわれて、あなたのどんな願いでも、3つだけ叶えてくれるとしたら、どんなことをお願いしたいでか?」
「3つの願いが叶い、そのあとの人生、あなたは何をして生きていきますか?」
ここでたいていの人は、いままでの人生でやり残してきたこと、「漫画家になりたい」「料理人になりたい」「アーティストになりたい」そういうことを答えます。
■それがあなたの「やりたいこと」!
やりたいことを仕事にする。それは非常に挑戦的なことです。本当に好きなことで食べていくためには、たくさんの努力やリスクが必要です。それはある意味、人生の大きな方向転換なのです。
そう考え始めると、失敗する恐怖心から、自分が何をやりたいと思っているのか、自分でもわからなくなります。不安や恐怖は、自分のこころをわからなくするのです。
好きなことを仕事にする壁は、やっぱりとても高い。その高い壁に挑戦して失敗したら、周囲の人に冷ややかな目で見られるかもしれません。
「成功するかどうかもわからないのに、夢みたいなことを一生懸命やって……。何やってんだろうね」
誰かからそう言われることを想像してしまうと、好きなことを仕事にするのが、怖くて怖くてしかたありません。
だから、好きなこと、やってみたいことがあっても、「そんなのは、現実的には無理に決まっている……」、そう言ってせっかくの好きなことを、ゴミ箱に捨ててしまいます。
失敗が怖くて、好きなことを仕事にすることから逃げている自分……。
そんな自分は誰だって、認めたくありません。そこで無意識に、そんな弱い自分を見て見ぬふりをしてしまいます。これは無意識の防衛機制、「否認」であり、「人生の嘘」です。
でも、「もし神龍が願いを叶えてくれて、身の安全と成功が保障されたら」と考えたとき、自分のやりたいことが頭に浮かぶ人は、かなりたくさんいらっしゃいます。
あなたは、どうですか?
生まれ変わらなくても、人生やり直せます。いまからでも遅くない。思い切って、夢に挑戦してみませんか?
「もしもあなたが、いまの記憶を持ったまま生まれ変わったら.…。今度はどんな仕事に就く人生を、歩んでみたいと思いますか?」
「もしも、あなたは前世の記憶を失っているだけで、いまの人生こそが、やり直した2度目の人生だったとしたら.……?
あなたはいまの人生で、何をやるべきだと思いますか?」
2回目となる今回の人生でも「次に生まれ変わったときこそは……」、そう思って夢に挑戦せずに、死を迎えたいですか? 2回目の人生でも、自分のやりたいことから、目をそらして生きていきますか?
きっとまだ何十年も生きると思います。ギリギリかもしれないけど、その気になれば、いまからでも間に合うんじゃないですか?
自分の人生を変えたいのなら、いまのこの人生を変えるしかありません。
いまの人生で自分を変えられない人は、次の人生で変わることも難しいですからね。
ちょっと勇気を出して、好きなことの中から、やりたいことを考えてみませんか?
ある夜、街灯の下でひとりの酔っ払いが、何かを探しています。そこに警官がやってきて質問します。
警察官:「どうしたのですか?」
酔っ払い:「家のカギをなくしちまって….」
警察官「そりゃいけない、一緒に探しましょう」
ところが、ふたりでいくら一生懸命に探しても、一向にカギは見つかりません。不思議に思った警官は、その男に聞きます。
警察官「本当にここでなくしたのですか?」
酔っ払い:「ここじゃないよ。もっと奥の暗がりでなくしたんだけど、あそこは暗すぎて探すのが大変なんだ。だから明るくて探しやすい、この街灯の下を探しているのさ」
本当にカギをなくしたのは、とても暗くて探すのが大変な場所。だから明るく探しやすい、街灯の下を探している。
でも、いくら明るく探しやすくても、そこにカギがなければ、なんの意味もありません。
やりたいことを仕事にする、好きなことを仕事にする。それは大変なことです。
暗闇でカギを探すより、ずっと大変なことかもしれません。
「自分なんかに、そんな大変なことができるだろうか」、そう思うと怖くなって、好きを仕事にすることから、つい目をそらす。いや、自分の本当に好きなことから、目をそらしてしまうのです。そして悲しいことに、いままでどおりの好きでもない就職口を探してしまう。
でも、好きじゃないのにやりたいことなんて、存在するわけがないのです。
なくしたカギは、たとえどれだけ大変でも、暗闇の中を探さなければ見つかりません。
やりたいこと探しも同じです。たとえどれだけ大変なように感じても、好きなことの中から探さなければ、やりたいことは絶対に見つかりません。
人生を棒に振ってもいいのなら、どんな仕事をしてみたいですか?
毎日、上司に怒鳴られながら、やりたくない仕事をこなす日々。
お客さんに喜ばれるためというより、売り上げを伸ばすためだけの仕事……。そんな仕事って、本当に意味があるんだろうか?
自分が嫌だと思っている仕事に、たった一度の人生のうちの40年以上使ってしまっていいんだろうか?
無駄にしてるんじゃないだろうか?
それってすごくつまらない人生……。
あなたのいまの仕事は、収入的には安定しているかもしれない。でも、この生活を続けていれば間違いなく、つまらない人生のままで終わってしまうだろう。たとえお金があっても、それは結局、あなたにとって幸せな生き方とは言えない。
どうせ幸せじゃないなら……、思い切って生きたほうがいいかもしれない。
失敗して人生を棒に振るかもしれないけれど、同じ人生を無駄にするにしても、好きなように思い切り生きたほうがつまらない人生ではない。
いまのつまらない人生のまま65歳になるより、ずっとマシだ。
平凡で安全な選択肢だけでは、やりたいことは見つかりません。
人生を棒に振ってもいい。そのぶん、思いっ切り生きてみたい。そう思ったときに、人生の選択肢は一気に広がります。
人生の選択肢を広げたとき、やりたいことも見えてくるのです。
成功する可能性が、1度でもあるならば、挑戦する価値はあるはずです
「好きを仕事にするなんて、特別な才能がある人や、特別な運命の人だけのもの。自分なんかには、無理に決まっている……。だから、平凡な仕事に就くしかない」
ほとんどの人はそう思って、本当に好きなことを仕事にしようとしません。
でも、「自分には無理に決まっている」、それは本当に真実なのでしょうか?
自分自身のネガティブな、間違った思い込みではないでしょうか?
真実は、挑戦してみなければわかりません。
少なくとも、100回のうち1回くらいは、成功するはず。
最初の1回2回で成功しなくても、あきらめずに100回挑戦してみたらいいのです。
ちょっとだけ挑戦してみませんか?
やってみたいと思う。でも、不安でやってないこと、あなたにもありませんか?
- 何かを体験したときに自分のこころに起きた感情を、素直で正直に、ありのまま受け取ること。
- 自分自身がやってみたい、やってみたほうがいいと感じた場合、自分のその感覚を信頼してやってみること。
やりたいことを見つけられる人は、やってみたいと思っていることに、不安でも一歩、踏み出せる人です。
「不安なことに一歩踏み出す」。その積極的な態度が、やりたいことを見つけるために、もっとも必要なことなのです。
真剣に考えれば、あなたのやりたいこと、ひとつくらい見つかりませんか?
「真剣はいい、深刻はいけない」
心理学者の長谷川啓三
という言葉を使っています。
真剣と深刻の違い
「深刻」とは「容易ならない事態と受けとめて、深く思いわずらうこと」。
「真剣」とは、「まじめに物事に対するさま。本気で物事に取り組むさま」。
深刻 | 真剣 | |
---|---|---|
「好きなことを仕事にするからには、絶対に失敗できない」 | 気持ち | 「いまの自分にできること、まずは調べることから始めよう」 |
「これが、血を吐いてでも努力したいと思える、本当にやりたいことなのか」 | やりたい事 | 「本当にやりたいことかどうか、やってみなければわからない。ちょっとだけ体験してみよう」 |
「自分の年から勉強しても、成功する可能性は低いだろう」 | 挑戦 | 「やらないで後悔するより、やって後悔したほうがマシだ」 |
「無理に決まってる……」 | 結果 | 「解決する方法だけ」を本気で考えてみる。 |
深刻に受けとめすぎない、でも、真剣に解決法を考える。
そして、やりたいこと探しにおいても、とても大切なことです。あまりに深刻に考えてしまうと、どうしても偏った思考になります
やりたいこと探しを深刻ではなく、真剣に考えれば、自然と解決するほうに思考が向かっていきます。
そのほうがずっと、いい結果になります。
「真剣はいい、深刻はいけない」
いまのあなたは深刻ですか? それとも、真剣に考えていますか?
やらない理由にしがみつくのを、ちょっとだけやめてみませんか?
夢を追いかけて、夢やぶれるのは怖いです。人生を棒に振るかもしれません。友だちにバカにされるかもしれません。それは誰にとっても、すごくすごく怖いことです。
追いかける夢さえなく、嫌な仕事を毎日、暗い顔で続けてい
るこれまでの人生。その時点でもうすでに、僕たちはたった一度きりの人生を、棒に振っているのではないでしょうか。
いままでしがみついてきた、夢をあきらめる理由を手放したとき、やりたいことは目の前にあります。いままでと違う生き方の先にしか、新しい人生はありません。
自分が本当に正しいと思うことに従って自分の仕事、人生を考えたとき、どんなことが頭に思い浮かびますか?
日本人は、「世間の常識」という権威の言いなりになりやすいように感じます。
- 「学校を卒業したら会社員になる」
- 「好きなことでは食べていけない」
- 「この年齢では遅いに決まってる」
それらはすべて「世間の常識」にすぎません。いまの仕事を続けても幸せになれないとわかっているのに、「会社を辞めるのはリスクがあるよ。好きなことを仕事にするなんて無理なんだよ」、そんな世間の常識に従って、いつまでも自分の人生を変えることができないでいる。
あなたも「世間の常識」という権威に、流されているんじゃないでしょうか?
■常識に流されていては、天職は見つからない
世間の常識というのは、一見すごく正しく感じます。「みんなの意見」の集まりである世間の常識は、ある種の権威です。
権威や常識が、いつも正しいとは限りません。ましてや、自分自身の人生にとって、何が正しいのか? そこには権威も常識も関係ないのです。
大切なのは、何が正しいのか、常に自分の頭で考えること。そしてその、「自分の頭で考えた正しいこと」に従い、仕事、人生を決める。そうでなければ、納得できる仕事なんて、見つかるわけがありません。
仕事を決めるというのは、ある意味、人生を決めること。自分の頭で考えた選択でないと、いい人生になるわけがないのです。
あなたは、世間の常識という権威に流されて、仕事を決めていませんか?