FX初心者が失敗しないための基礎知識
FXとは「Foreign Exchange」の略称で、「外国為替証拠金取引」のことをいいます。
外国為替証拠金取引では、取引額の全額を受け渡しするのではなく、取引を決済したときに生じる損益分についてのみやりとりを行う『差金決済』という形をとっています。
外国為替取引
「外国為替取引」とは、異なるふたつの通貨を交換(両替)することをいい、その交換レートを決める市場のことを『外国為替市場』といいます。
FXは24時間取引可能
外国為替市場は、ネットワークでつながれた世界中のインターバンク市場を利用して取引が行われているので、株式市場のように取引時間(立会時間)に制限がなく、24時間(土日を除く)、取引することが可能です。
FXの魅力
ふたつの通貨を交換(両替)することで、外貨の価格差、あるいはその間の金利差による利益を狙うのがFXの基本です
外貨預金などに比べて、手数料が格安
外貨預金の場合は、一般的に「仲値」と呼ばれる午前10時の市場のレートを利用して取引が行われます。その際、外貨預金を始めるためにドルを買う場合は、「TTS」と呼ばれる仲値から1円円安のレートが使われます。
逆に、外貨預金を日本円に戻すためにドルを売る場合には、『TTB」と呼ばれる仲値から1円円高のレートが使われます。
すなわち、取引を始めてから決済するという一連の流れの中で、1ドル当たり2円分のコストが必要になります。ただ、この2円という数字はドルの場合のコストで、取引量が少ないポンドなどについては8円というコストが必要になってきます。
これに対して、外国為替証拠金取引では、1ドル当たりの手数料は無料から10銭程度です。
FXの仕組み
1ドル=100円のときに両替(購入)。1ドル=101円になった時に日本円に両替(売却)すれば、差額の1円が利益となる仕組みです。
ちなみに1ドル=100円から1ドル=101円になったことを1円の円安といいます。※円高ではありませんドル高です。
ドル購入後、ドルの価値が上がった(円の価値が下がった)後、売却して1円の利益ということです。
ただ1円増えたからといって、そんなに大喜びはしないでしょう。しかし、1万ドル分買っておけば、1万円、100万ドル買っておけば、100万円得したことになります。
ただし、1万ドル買うのに必要な資金は100万円、100万ドルだと1億円になります。
外貨預金の場合だと、手持ちの範囲でしか取引できませんが、FXの場合、証拠金として預けた資金の何倍もの取引が可能です。
少ない資金で大きな取引ができる
この少ない資金で大きな額の取引ができることを、「てこ」の意味から「レバレッジ」と呼んでいます。
レバレッジとは、少額の資金(証拠金)で最大25倍の取引をすることができます。
つまり1万ドル分購入に必要な資金、100万円でしたが、レバレッジをかけると25分の1(証拠金)、4万円で(100万円分の)1万ドルを保有することができます。
購入後1円の円安の場合、原資4万で1万円、原資400万円で100万円の利益を得ることになります。(レバレッジ25倍の場合)
逆に、1円の円高になった場合、原資4万のうち、1万円を失うことになります。レバレッジは1〜25倍までかけれますので、自分にあった取引を心がけましょう。
ちなみに原資20万円で、100万円分(1万ドル)購入はレバレッジ5倍となります。
FXは、レバレッジにより少ない資金でも大きなお取引ができるため、わずかな為替変動でも預入れた資金(証拠金)に対して大きな損失が発生する可能性があります。投資額や投資目的にあわせてムリのないレバレッジでお取引ください。
売りからでも可能
外貨預金だと円高で外貨の価値が下るときは収益をあげることが難しくなりますが、FXなら外貨を「高く売ってから、あとで安く買う」、または「安く買ってから高く売る」という取引ができるので、円が下がる時でも上がる時でも臨機応変に収益を目指すことができます。
つまり、保有してないドルを先に売って、あとで買い戻す取引方法も可能ということです。
円安相場から円高相場に向かうとき、ドルを先に『売り』から入ることができるのもFXの特徴です。
1ドル101円だけど、この先『円高』になりそうな場合は、先に101円で売って、100円になったときに買い戻すと1円の差益が出るということです。
FXは、通貨を売買する取引ですので、片方の通貨がもう片方の通貨に対して、「相対的に価値が上がるか下がるか」の2通りの値動きを予想するものです。
つまり、上がると予想した場合は「買い」、下がると予想した場合は「売る」という方法があるので、上昇相場と下降相場の両方で利益を狙えるチャンスがあります。
取引レートには通貨毎に売付価格と買付価格に差額(スプレッド)がありますので、買ってすぐ売っても、売ってすぐ買っても差額分がロスになります。
実質これがFX業者に支払う手数料みたいなものです。
スワップポイントを受け取れる
ゼロ金利政策の日本では、預金に利子はほとんど付きません。
ところが、世界には高金利な国があります。特に有名なのが「トルコのリラ」や「南アフリカのランド」、「メキシコのペソ」などです。※取り扱いがない事業社もあります。
このスワップポイントをうまく使ってコツコツと利益を出すせるのもFXの特徴です。
スワップポイントは毎日もらえます。
少額の資金で大きな投資ができるので、自己資金に対する金利収入の利回りが非常に高くなるのも魅力のひとつです。
トルコ・リラ 10万通貨(6万円〜※)で1日150円 年間54,750円の利子がつきます。
南アフリカ・ランド 10万通貨(3万円〜※)で1日60円、年間21,900円の利子がつきます。ただし、スワップの金額は毎日変わります
※レバレッジ25倍の場合。長期的にスワップポイントを狙いに行く場合、レバレッジはかなり低め(1〜3倍)にして資金的に余裕を持つことが必要です。
ただし、反対に高金利通貨を売って低金利通貨を買うと、マイナスのスワップポイントを毎日支払わなくてはなりません。その点注意が必要です。
取引を始める前に絶対に知っておきたい4つのリスク
多くの魅力的な特徴を持ち、法整備も進んできFX(外国為替証拠金取引)ですが、参加者にとっては理解しておくべきリスクも存在します。先程の説明と被る内容もありますが、主なものは次の4つです。
【1】値動きのリスク
外国為替証拠金取引は、元本や収益が保証された取引ではありません。市場の値動きによって儲かったり損をしたりします。また、高金利通貨を買って低金利通貨を売ることによって『スワップポイント』と呼ばれる金利差の調整分を受け取ることができますが、このスワップポイントも、金利市場での動き次第で増減します。それどころか、金利差が逆転してしまえば、スワップポイントを支払わなければならないこともあります。
このリスクを考える際に、重要になってくるのがレバレッジ』と『リスク』の関係です。資金を証拠金として預けることで、少ない金額でも大きな取引ができるのが外国為替証拠金取引の魅力ですが、値動きによる差損益や、スワップポイントの受け払いは取引金額によって決まってくるため、取引が大きくなればなるほど収益期待もリスクも高まります。
例えば、10万円を預け入れて、1ドル 100円で1万ドル分のドル円の買い取引をしたとします。この場合、元手10万円に対する取引金額の比率であるレバレッジは10倍です。
そして、ドル円が1円下がって1ドル 99円になったとします。この時の評価損は、1円×1万で1万円。市場としては、100円から99円とわずか1%下がっただけですが、レバレッジが10倍ですから、もともとの資金である10万円に対しては10%もの評価損が出た計算に
なります。仮に10円(10%)下がったとすると、もともとの資金10万円がすべてなくなってしまうことになります。
実際の取引では、業者が設定した最低ラインを割り込むと、強制的に決済されてしまい損失が確定(ロスカット)しますので、取引が維持できないことになります。もちろん、逆に儲かる時は、10円上がると元の資金が倍になるというわけで、ハイリスク・ハイリターンな取引と言えます。
外国為替証拠金取引は、元本および利益が保証された金融商品ではありません。相場の価格変動やスワップポイントの変動により、損失が発生する場合があります。預けた証拠金以上の取引が可能となるため、証拠金の額を上回る損失が発生するおそれがありますので気をつけてください。
【2】流動性リスク
大きなニュースなどがあって外国為替市場全体の取引量が減り、取引ができなくなるリスクです。外国為替市場は1日200兆円以上の取引がある世界最大の市場で、ストップ安・ストップ高というものがないため株式市場などと比べ流動性リスクは低いのですが、大きなニュースが出た直後などは、値動きが荒くなり、取引したい水準でうまくできないリスクもあります。
【3】システムのリスク
外国為替証拠金取引は、インターネット回線を通じて自分のPCから取引を行う場合がほとんどです。そのため、PCやネット回線のトラブル、取引業者のサーバートラブルなどにより取引できないというリスクがあります。また、自分の操作ミスによる誤発注などのリスクがあります。
【4】信用リスク
取引業者の財務状況の悪化や業務停止、倒産などによって取引ができなくなるリスクです。FXは1998年に誕生しましたが、当時から財務上脆弱な業者が多く含まれていました。
それが、2005年7月の改正金融先物取引法の施行によって、5000万円の最低資本金や自己資本規制比率などが定められ、財務が脆弱な業者は排除されましたが、銀行などと比べるとまだまだ財務上の基盤が弱いため、倒産に関するリスクを考慮しておく必要があります。
なお、最近は利用者から預かった証拠金を信託銀行に預託し、会社の資金とは完全に分離して管理を行い、倒産時の顧客資金の保全を図る仕組みを採用する業者も増えてきました。こうした顧客保護の仕組みが一般化すれば、ますます信用リスクは軽減できるでしょう。
最後に
取引業者を選ぶポイントをお伝えします。
- 会社概要
- 商品内容
- サービス内容
- 取引システム
【1】会社概要
- 金融庁に登録されているか?
- 『信託分離』など、顧客保護に力を入れているか?
1.金融庁に登録され他業者を選ぶべきです。
会社のホームページなどに登録番号が記載されているはずです。リスクに対しての説明が徹底されているかも確認が必要です。
2.『信託分離』を行っている業者は安心です。顧客から預かった資金を信託銀行に分離して保管することで、一般の債権・債務から切り離し、万が一倒産した場合でもその分は顧客に返すことができるという信託分離保管は、コストが結構かかるので、全ての業者が採用しているわけではありません。
そのため、こうした顧客保護に力を入れている姿勢自体、信頼性が高く好感が持てます。万が一の時の備えという意味でも、これは業者選びの大きなポイントになります。
【2】商品内容
- 手数料&必要な証拠金額は?
- 取引可能な通貨ペアは?
手数料などは安いに越したことはありませんが、それだけで決めるのは危険です。情報や安定性も必要です。
【チェックポイント】
- 取引手数料はいくらか?
- 最低取引金額はいくらか?
- 取引に必要な証拠金額はいくらか?
- 出入金はスムーズか?
- 希望する通貨ペアが取引可能か?
【3】サービス内容
- 問い合わせ、サポートが徹底されているか?
- IR情報がきちんと公開されているか?
財務情報などのIR情報がきちんと公開されているかをチェックして健全性を確かめましょう。
【4】取引システム
シンプルで使いやすい取引システムを提供しているか?
業者によっては、仮想取引(デモトレード)の場を提供しているところがありますので、これらを利用してシステムの使い勝手をいろいろ試して見るのもいいでしょう。
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