スワップポイントとは
スワップポイントとは、取引を行った際のふたつの通貨間の金利差(利鞘:margin)のことです。
たとえば、ドル円を1ドル107円で10万ドル買い、その買いポジションを翌営業日以降に持ち越したとします。
買った10万ドルに関しては、その分の金利収入が入ってきます。しかし、10万ドルを買うための売買代金1070万円を取引業者から借りているわけですから、この1070万円に対しては1日分の金利を払う必要があります。実際には、買ったドルの金利と借りている円の金利の差額分をやり取りする形になります。これがスワップポイントです。
現在、日本円の金利(0.1%)に対して、メキシコペソは5.5%(2020年 5月現在)ですので、その差額分だけ毎日受け取ることができます。逆に、メキシコペソでペソ売りポジションを作った場合、借りてきたペソに対して高めの金利を支払い、買った円に対してはほとんど金利の受け取りがないので、差額分を毎日支払う必要があります
取引する通貨ペアにおいて、金利が高い通貨を買って金利が安い通貨を売ると、スワップポイント分の受け取りが毎日起こり、逆に、高金利通貨を売って低金利通貨を買うと、スワップポイント分の支払いが毎日起こるというわけです。
こうしたスワップポイントの受け払いは、短期間の取引ではそれほど意識する必要はありませんが、長期間にわたってポジションを維持する場合には、大きな意味を持ちます。
スワップポイントが付与される時間帯、朝7時(夏時間の場合、朝6時)を境に、持ち越してポジションを保有すると発生します。 土・日の分を含めて3日分のスワップポイントが発生します。
※土日・各国の祝日があると付与日数が変則的になり、付与されない日があります。各業者のスワップカレンダーにてご確認ください。
『スワップポイント』は長期に取引する場合に特に注意が必要
スワップポイントを考える場合、二つのことを注意する必要があります。
まず、スワップポイントはあくまで通貨間の金利差によって生じるということ。
どちらかの金利水準が変化すれば、スワップポイントも変わってきます。
現在、ほとんど金利のつかない円であっても、1990年代前半のようにドルより金利が高い時代もありました。仮にそうなった場合、スワップポイントはドル円を買った場合に支払いになり、ドル円を売った場合に受け取りになります。
長期的にスワップポイントによる収益を期待して取引を行った時に、金利水準の変化によって期待どおりの収益が得られないというリスクがあります。
オススメ通貨ペア!スワップポイントが魅力的
米ドル
世界の基軸通貨なので他の通貨に比べて取引量が多い。 また、米国の情報は豊富で入手しやすいので、投資判断がしやすい。投資家にとってスタンダードな通貨。
米ドルは、紛争や世界経済の変化や、米大統領の不規則発言などに敏感に反応し、急激な動きが起きます。 それらの情報は、日常のニュースでも取り上げられるような入手のしやすいものであることが多いことから、投資家にとっても取引しやすい通貨とも言えるでしょう。 しかし、取引しやすい通貨といえども急激な動きには注意が必要です。
ここ数年の経済の好調な動きを反映して金利上昇が大きなテーマとして相場にも大きく影響してきました。 ここへ来て中国との貿易摩擦などによる先行き不透明な状況が続き、これまでの金利引き上げの流れが一転利下げに変わりつつあります。
南アフリカ・ランド(ZAR)
南アフリカランドは高金利通貨としてスワップポイント狙いのトレーダーには以前から人気のある通貨です。そして典型的な資源国通貨といってもいいでしょう。
南アフリカの主要資源は金、希金属、鉱物製品、化学製品、食品などとになっています。資源需要の影響を受けやすい通貨と言えます。
また、中国の影響を受ける可能性はあります。中国とアフリカにおける貿易総額が急速に増加しており、現在では2000億ドルを超えているとの記述があります。(日本は300億ドル程度)
その証拠に2015年8月のチャイナショックの時にランド円は9円台から6円台まで下落するなど、金相場よりも世界経済の影響を強く受けることがわかります。
金利の高い新興国通貨は米ドルの金利の影響を強く受けます。
- 米国の金利が上昇→新興国通貨(売)ドル(買)
- 米ドルの金利が下降→ドル(売)新興国通貨(買)
米国経済の見通しが思わしくなければ米国は金利を下げて経済の活性化をはかりますが、この先しばらくは米国の利上げの可能性は低いと見るのが一般的で新興国通貨への投資は条件が良いといえるでしょう。
トルコリラ(TRY)
過去の経済危機から脱し、今後の経済成長が期待されています。
トルコリラは高金利通貨の代表として人気を集めていますが、金利が高いということは、通貨の信用が低いということを意味しています。
しかしトルコの成長が期待できる理由の一つに生産年齢人口(15歳~65歳前後)の増加があげられます。 トルコ統計局によれば、2018年にトルコの人口は8,200万人に達し、2040年までには1億30万人でピークに達すると予想されています。
その結果生産年齢人口の比率が高まり、経済の成長が加速することは過去の歴史からも読み取ることができます。
注意すべき点としては、急激な為替変動と地政学的リスクです。細心の注意を払いながらトレードに望む必要があります。
メキシコペソ(MXN)
メキシコペソは新興国通貨の中でも、南アフリカランドや豪ドルのような資源国通貨とは違った特徴があります。
1980年代後半から進められた工業製品を中心とした輸出の活性化、 そして90年代に入ってから締結された北米自由協定(NAFTA)を期に、特にアメリカ向けの工業製品の輸出が伸び、2016年のデータではメキシコの輸出額のうち工業製品の占める割合が86%を超えるまでになりました。
インフレ率は2017年の6.0%から、2018年には4.9%と健全化されており、人口も増加、失業率も回復してきており、2050年には世界第5位の経済大国になるという見方もあります。IMFの見通しでは2017年のGDP成長率が2.0%だったのに対し、2019年は2.3%に上昇すると予想しています。
また工業製品の中でも自動車及び自動車関連製品の占める割合が高く、自動車の生産台数は世界第5位のドイツに次ぐ第位6位となっています。また国の経済力を表すGDPは、世界第15位に位置しています。
メキシコはこのように今後の発展が期待されますが、注意すべき点もあります。
メキシコの輸出先の約8割を占めるアメリカとの関係です。
アメリカは、メキシコからの安価な工業製品に依存していますが、2017年1月には米トランプ政権の強硬な通商政策によるメキシコ経済への悪影響懸念からメキシコペソは過去最安値を付けました。
今後もこうしたトランプ政権の動きには十分に注意する必要があるでしょう。
オススメ高金利通貨スワップポイント比較表
アメリカ | 南アフリカ | トルコ | メキシコ | ||
---|---|---|---|---|---|
ドル円 1万単位 | ランド 円 10万単位 | リラ円 1万単位 | ペソ 円 10万単位 | ||
SBI | 7円 | 50円 | 5円 | 70円 | ◎ |
GMO | 10円 | 50円 | 7円 | 60円 | ◎ |
DMM.com証券 | 7円 | 50円 | – | – | ◎ |
FXプライム | 2円 | 80円 | 5円 | 70円 | ○ |
外為どっとコム | 5円 | 40円 | 5円 | 80円 | ○ |
みんなのFX | 8円 | 51円 | 20円 | 50円 | ◎ |
ドル円 | ランド 円 | リラ円 | ペソ 円 | |
---|---|---|---|---|
1通貨 | 107.1円 | 6.1円 | 15.6円 | 4.8円 |
1万通貨 | 107.1万円 | 61万 円 | 15.6万円 | 4.8万円 |
レバレッジ3倍 | 35.7万円 | 20.3万円 | 5.2万 円 | 1.6万 円 |
1万通貨あたりの証拠金 | 42,840円 | 2,440円 | 6,240円 | 1,920円 |
スワップ/月 | 300円 | 240円 | 600円 | 240円 |
年間 | 3,650円 | 2,920円 | 7,300円 | 2,920円 |
10年間 | 36,500円 | 29,200 | 73,000 | 29,200 |
メキシコペソ/円は米ドル/円などよりも小額でFX取引が可能!
米ドル/円は1ドル107円のときに1万通貨を取引する場合、42800円の証拠金が必要となります。
メキシコペソ/円は1万通貨を取引する場合、1920円です。
米ドル/円の22分の1ほどの資金で取引可能です。
トルコリラ /円1万通貨(みんなのFX)の場合、6,240円で月間600円、年間7300円になります。
覚えておきたい用語【解説】
1通貨 | トレードを行う際の単位。 ドル円の場合は1通貨であれば1ドル。 ドル円の1万通貨は、1万ドルとなります。 |
ポジション | 外貨の持ち高のことを表します。 外貨を買っている状態・または売っている状態を「ポジションを持っている」や「ポジションを保有している」と言います。 |
必要証拠金 | ポジションを取るためにその取引額に比例して最低限必要となる預託金のことです。外国為替証拠金取引(FX)では少額の証拠金=資金をもとにレバレッジ効果を利用することにより、実際の資金(証拠金)より大きな金額で運用を行うことが可能です。 |
レバレッジ | 外国為替証拠金取引(FX)では、小額の資金=証拠金で多額の外貨を売買することが可能です 例えば外貨預金であれば1万ドルを取引するのに1ドル=100円で換算すると、100万円の資金が必要になります。 100円(為替レート)×1万ドル=100万円(為替手数料は考慮しておりません) レバレッジ(テコの原理)を利用して手元の資金の最大約25倍までのお取引が可能です。 ※レバレッジは運用するポジションの総数、預けた証拠金の額、為替レートの変動により変化します。 |
証拠金維持率 | 時価評価総額に対する必要証拠金の割合のことです。 証拠金維持率を確認することで、追加証拠金発生やロスカットのリスク状況を把握することが可能です。 【証拠金維持率とレバレッジの計算方法】 証拠金維持率の計算方法は以下の通りです。 証拠金維持率 = 時価評価総額 ÷ 必要証拠金 × 100 例 口座に100万円入金 1ドル=100円のときに、10万通貨を保有した場合。 100万円÷40万円(※)×100 = 250 ※必要証拠金:100円×10万通貨×4% ⇒証拠金維持率は250%となります。 また、このときのレバレッジは100円×10万通貨÷100万円で10倍と計算されます。 証拠金維持率とレバレッジの関係 個人口座証拠金維持率=2,500% レバレッジ1倍 証拠金維持率=1,250% レバレッジ2倍 証拠金維持率=500% レバレッジ5倍 証拠金維持率=250% レバレッジ10倍 証拠金維持率=100%を割り込んだとき レバレッジ25倍=新規建玉を保有できません。 追加証拠金が発生します。 (ニューヨーククローズ時)アラートメールが送信されます。 証拠金維持率=50%を割り込んだとき自動ロスカットが執行されます。 |
追加証拠金 | 毎営業日(祝日を含む)のニューヨーククローズ(ニューヨーク現地時間午後5時00分※)時点において、時価評価総額が取引金額の4%に相当する日本円額を下回った場合(証拠金維持率が100%を下回った場合)、追加証拠金(追証)が発生します。この時間を境として取り扱い日を分けています。 ※日本時間に置き換えると以下の通りです。 米国東部標準時間時:午前7時00分 米国東部夏時間時:午前6時00分 |
ロスカット | 一定の水準以上に損失が拡大しないようにするため、証拠金維持率が一定水準を割り込んだ時点で、保有しているポジションを自動的(強制的)に決済することをいいます。 |
スワップポイントと確定申告
年末調整し所得が確定したサラリーマン(給与所得者)の場合は、20万円以下なら申告不要ですが、通常FX取引により発生したスワップ益については、雑所得として申告分離課税(税率20.315%)※の対象となります。
FX取引はスワップポイントの受け払いが日々発生するため原則、受け払いのあったスワップはすべて課税対象となります。
※他の所得とは分離して税額を計算し、確定申告によって納税する課税方式です。
またFX取引により発生した損失のうち、その年の控除額を上回る損失が発生した場合、翌年以降3年間に渡り取引所に上場されている先物取引等に係る譲渡所得の金額から繰越控除を行うことができます。
損失の繰越控除を利用するには、損失が発生した翌年以降、損失を繰り越す期間中は取引の有無にかかわらず毎年確定申告を行う必要があります。
最後に
FXのスワップポイントの魅力は、日本の銀行にお金の預けるより、金利がいいことです。また外貨預金の手数料は往復2円からに対し、FXは手数料がかかりません。これも大きなポイントです。
たとえば、毎月5.5万円を得るのに外貨預金(ペソ)だと230万通貨(1,104万円)以上必要(外貨預金は金利が低いので実際はもっと必要です)ですが、FXだとレバレッジ3倍で368万円で済みます。
なぜ毎月5.5万円?と思いませんでしたか?
これは、いわゆる老後資金2000万円問題の中身にあります。
厚生労働省が発表した2000万円の算出根拠が
5.5万×12ヶ月×老後30年=1980万円だからです。
つまり、老後の毎月不足額5.5万円をカバーできれば、2000万円問題は解決されるということ。
2000万円消費するより外貨預金。外貨預金の金利よりFXのスッワップということになりますね!
今後の経済成長が期待されるメキシコペソ。今のうちFXの口座を作るだけでも意味がありますよ!
下記のFX口座を作るだけで合わせて7万円もらえます
注意点としては、レバレッジを25倍などにしないこと。(レバレッジは1〜3まで)
市場が1%下落しただけでも、25%失います。実際のトレードにおいて証拠金維持率が100%以下となった場合ロスカットが執行されますので1倍〜3倍の範囲で余裕を持った資金で取り組まれることをオススメします。
※また売りポジションを保有した場合、逆にスワップポイントの支払いが発生します。
※スワップポイントは、各国の金利水準によって日々変動することや受け払いの方向が逆転することがあります。